パンドゥリ(Panduri / ფანდური)

パンドゥリ(Panduri)は、ジョージア(旧グルジア)の伝統的な撥弦楽器である。

細長いネックと木製の共鳴胴を持つリュート属の楽器で、通常3本の弦を指で弾いて演奏する。主にジョージア東部のカヘティ、カルトリ、トゥシェティなどの地域で使用されてきた。

伝統的には民謡の伴奏に用いられ、歌や踊りとともに演奏されることが多い。

弦の数は3本だが、2本の物もあるらしい。

伝統的なものでは、フレットは1オクターブの中に7個ある。
これは12平均律の中の7個ではなく、7等分したものの様子。

最近は12平均律に合わせたものも製作されている。

歴史と文化

パンドゥリはジョージアの民俗音楽と深い関係を持ち、日常生活や祝い事など、さまざまな場面で演奏されてきた。

ジョージアは独特な多声音楽で知られており、パンドゥリも歌唱の伴奏として重要な役割を担っている。

伝統的には民謡の伴奏楽器として発展したが、20世紀には改良型も製作され、民族楽器の合奏や独奏にも使用されるようになった。

なお、ジョージア西部には「チョングリ(Chonguri)」と呼ばれる類似した撥弦楽器がある。こちらは一般に4弦で、フレットを持たないなど、パンドゥリとは構造が異なる。

構造

パンドゥリは伝統的には一つの木材から胴体とネックを削り出して製作されるが、複数の木材を組み合わせて作られたものも存在する。

胴体の形状は地域によって異なり、洋梨形のものや、細長い船のような形状のものなどがある。

弦は通常3本であるが、ジョージア北東部のヘヴスレティ地方には2弦のパンドゥリも伝えられている。

フレットと音律

パンドゥリには、伝統的なフレット配置を持つものと、西洋音楽の12平均律に対応した改良型がある。

伝統的なパンドゥリでは、1オクターブ内に7つのフレットを設ける形式が知られている。ただし、これは1オクターブを7等分したものではなく、ジョージアの伝統音楽で使用される音程に対応した配置である。

一方、20世紀には西洋音楽の半音階を演奏できるように改良されたパンドゥリが登場した。

1934年には、キリル・ヴァシャキゼ(Kiril Vashakidze)が、半音階に対応する改良型パンドゥリを開発したとされる。

これによって、伝統的な民謡の伴奏だけでなく、より幅広い楽曲を演奏できるようになった。

写真左が伝統的なフレット配置、右が12平均律に対応した改良型のパンドゥリである。

写真を見ると、両者ではフレットの数だけでなく、配置間隔も異なることが分かる。

演奏方法

パンドゥリは一般に指で弦を弾いて演奏する。

複数の弦を同時に弾くストローク奏法が多く使用され、歌のリズムや旋律を支える伴奏を行う。

また、弦を個別に弾いて旋律を奏でることもできる。

伝統的な演奏では、開放弦の響きを生かしながら、歌に合わせてリズミカルな伴奏を行うことが特徴である。

調弦(チューニング)

パンドゥリには複数の調弦方法が存在し、地域や楽器の種類によって異なる。

伝統的な3弦パンドゥリの調弦例として、低音側から G・A・C が知られている。

一方、12平均律に対応した改良型では、A・C♯・E などの調弦が使用される。

このほかにも異なる調弦があり、すべてのパンドゥリに共通する調弦が一つだけ存在するわけではない。

以下は調弦の一例である。

https://en.wikipedia.org/wiki/Panduri

サイズ

以下は写真の楽器の実測値である。

弦長:約48cm
全長:約75cm

これらは所蔵個体の寸法であり、すべてのパンドゥリに共通する規格ではない。

弦について

伝統的には羊や山羊の腸から作られたガット弦が使用されていたが、現在ではナイロンなどの合成樹脂製の弦も使用されている。

パンドゥリでは、3本の弦に同じ太さのものを使用する構成が知られている。

以下は入手した楽器に張られていた弦の実測値である。

1オクターブ7フレットもの
3弦:0.72mm
2弦:0.68mm
1弦:0.66mm

12平均律のもの
3弦:0.69mm
2弦:0.68mm
1弦:0.69mm

どちらの楽器も3本の弦の太さに大きな差は見られない。

伝統的なパンドゥリで同じ太さの弦が使われるという資料とも整合するが、これらの楽器に元々適切な弦が張られていたかは不明である。

また、上記は入手時の使用済み弦を測定した結果であり、新品時のゲージや標準的な弦の仕様を示すものではない。

参考情報